お勉強メモ

バリュー・プロポジション Value Proposition


企業が顧客に提供する価値の組み合わせ。バリュー・プロポジションを構築することで競合他社との差別化を図れる。

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 バリュー・プロポジションとは、企業が顧客に提供する一連の価値の組み合わせです。ここでいう価値とは、商品、価格、販売方法、顧客対応など、顧客がベネフィット(利便)として感じるものすべてです。


自社独自の提供価値は何か
 近年、市場の成熟化にともない、企業間の競争は厳しくなっています。また、多くの業界では技術の汎用化が進み、消費者から見ると「どの企業から商品を購入しても同じ」という状況になりつつあります。こうした中で、企業は、競合他社とは異なるバリュー・プロポジションを構築することで、顧客に「なぜ自社の商品を購入する必要があるのか」を提示する必要性に迫られています。
 バリュー・プロポジションを構築するには、まず自社の提供価値をどこに位置づけるかを検討することが必要です。その際の枠組みとして、M・トレーシーとF・ウィアセーマが『ナンバーワン企業の法則』(日本経済新聞社)で提案した「価値の基準」がよく用いられています。
 トレーシーとウィアセーマは、企業が顧客に提供可能な価値の基準には、次の3つがあると述べています。
(1)業務の卓越性:優れた業務プロセスによって、一定品質の商品を、最良の価格で提供する。
(2)製品の優位性:優れた商品開発力によって、常に他社にはない画期的な商品を提供する。
(3)顧客との関係性:個々の顧客のニーズに対応し、最高の顧客サービスを提供する。
 トレーシーとウィアセーマは、このうち、すべての領域で優れた企業になることは難しく、どれか1つで最も優れた企業となり、残り2つで平均的な水準を維持することが重要と説いています。


本質は自社の強みの明確化
 バリュー・プロポジションの考え方は、本質的には競合企業との提供価値をどのように差別化するかを検討するという点で、製品ポジショニングの考え方に似ています。
 したがって、バリュー・プロポジションの構築を検討するにあたっては、競合との比較の中で、自社の強み活かした提供価値をどこに位置づけるかという視点が重要になります。