モザイク社会

以下引用です。

現代は「モザイク社会」

■ 『オランダ・ハーグより』 春 具 第142回

  「オランダは(いまでも)寛容か」


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■ 『オランダ・ハーグより』 春 具               第142回
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イスラエルにアミタイ・エツイオニ Amitai Etzioni という社会学者がおります。
ながいあいだアメリカに住み、大学で教えながら、カーター政権では大統領の顧問に
もなったことのある碩学で、 communitarian vision という行動原理をもとに社会学
・国際関係論を説いてきた論者である。彼はいまの社会を「モザイク社会」と名付け、

そのなかで共存するには自己主張ばかりするのではダメで、まず、存在する社会のモ
ラルを尊重する。あるいは社会に存在するほかのモラルをも尊重する。その見返りと
して社会はあなたの独立を尊重し、守ってくれるのだという議論であります。一種、
ホッブスのいう社会契約論に近いですね。エツイオニ氏の思想はカーター政権の外交
を担ったズビグネフ・ブレジンスキー氏、クリントン政権で防衛をやったジョセフ・
ナイ氏、国際法学の重鎮アンマリー・スローター教授などのほか、多くの政治家たち
にも影響を与えていて、カーター政権だけでなく、最近ではイギリスのブレア首相や
ドイツのシュローダー元首相がすこしまえに唱えた「第三の道」の思想的背景にもな
ったともいわれています。